夏休みの楽しみ方
家に帰ると家族も祭りに出かけてしまったようで誰もおらず、巧巳の部屋へと入りキスをする。
浴衣は楽でいい。帯を解けばすぐに肌に触れられるのだから。
ベッドへもつれ合い、巧巳が下へと組み敷かれるかたちとなる。
「緊張するな」
恋人として肌に触れあうのだから、先ほどからすごい勢いで胸の鼓動が激しく波打っている。
「どれどれ……」
それを確認するように高貴の手が胸へと触れ、小指が乳首をかすめるようにふれると、その瞬間、ビクッと身体が飛びはねて、お互いに驚いた顔をして見合わせた。
「え?」
「あっ」
確かめるように厚みのある胸板を撫で、指先で乳首を弄り始める。すると甘い痺れが身体中に広がり、下半身が疼きだす。
「感じる?」
高貴に触れられているんだと、そこに意識がいってしまい、余計に感じてしまう。
「ふっ」
「こんなにぷっくりさせて。気持ちいいんだね」
かたくなり突起した箇所を、カリカリと指先でかき、もう片方を舌で弄られて、
「はぁ……、ん」
鼻から抜けるような吐息がもれて、驚いて口を手で覆った。
「なんだ、今の」
「気持ちいって、巧巳が言っているんだよ」
だから我慢しないでと、手を掴んで口から離された。
「だが」
気持ち悪くなってしまわないだろうか。
心配する巧巳に気が付いて、口元に笑みを浮かべると乳首を咥えてそれを吸い上げた。しかもチュパチュパといやらしい音まで聞こえてくる。
それがまた欲を煽り、喉をひくつかせて甘い声をもらす。
「は、あぁっ、こうき、俺の事、ひいたりしない?」
「もっと聞きたいから、煽っているんだ」
乳首から手と口が離れ、パンツの上から下半身のモノを撫でられる。
「もっと声、聞かせて?」
とパンツを脱がせ、先走りで濡れたモノを優しく包んでこすりあげる。
「え、や、あぁっ」
目がちかちかする。一気に熱があがり今にもあふれ出てしまいそうだ。
「良い顔。ねぇ、俺も一緒に良い?」
と自分のモノをとりだす。天をむき張りつめたそれが、巧巳のモノへと触れる。
「いいに、決まっているだろう」
向い合せとなり熱くかたいものが擦りあう。何ともいえぬ快感が身体をつらぬいていく。
「く、ふ」
耳元で高貴の甘い吐息と声が聞こえ、それで達してしまった。
精を放ち惚ける巧巳に、すぐに高貴も精を放った。
「気持ち良かったな」
と高貴が頬を撫で、顔をゆっくりと顔をあげれば、まだ物足りなさそうな顔をしていた。
自分もそうだ。今だ身体は高貴を求め欲情している。
「高貴」
彼の頭を胸の中へと抱きしめる。ぺろりと舌が乳首を舐め、身体が喜びに震える。
唇が重なり合い、濡れた互いのモノが触れるとそのままこすり付けはじめた。
ティッシュで互いの濡れたモノをふき、ベッドに横になる。
こういう事をすること自体初めてだと素直に告白すれば、男同士は後ろを使うのだと教えてくれた。
「入るものなのか?」
高貴のモノをまじまじと見つめながら自分の尻に触れる。きっと受け入れるのは自分になるだろうから。
「いきなりは無理だけど、準備をすれば大丈夫」
「そうか。では、次にするまでに勉強しておくとしよう」
というえば、高貴が巧巳らしいと笑った。
「何に対しても勉強熱心だな」
そう言う所がたまらないと言われ、ふ、と、他に何処が好きなのかを聞いてみたくなった。
「他は? 俺のどこが好きだ」
「え、あ……、良い身体をしているとか、実は子供っぽい一面があるところとか」
「それから」
もっと高貴の口から好きな所を聞きたい。期待するように見つめれば、
「俺ばっかりじゃなくて、巧巳も教えてよ」
とかえされた。
「そうだな。俺なんかに付き合ってくれるお人よしで優しい所だな」
あの時まではただのクラスメイトだった。夏の楽しみ方を教えてなんていきなり言われて。それなのに高貴は付き合ってくれた。そして沢山の「楽しい」を教えてくれた。
「ありがとう、高貴」
楽しい事以外に、人を好きなる幸せまで教えてくれたのだ。
「巧巳」
腕の中に抱きしめられて瞳を閉じ、
「愛してる」
と呟いた。
補習が終わってからも勉強会は続いていた。場所は教室からお互いの部屋や図書室へとかわりお蔭で夏休みの宿題が順調に進んでいる。
無論、恋も順調。
男同士のやり方をネットで調べ、高貴のモノを受け入れられるようにと風呂で毎日弄っている。
夏休み中には一つに繋がることが出来そうだ。
「前岡先生にはきちんと報告をしなくてはな」
高貴とこうなれたのは前岡のお蔭だ。隠さず話しておきたいと言う巧巳に、
「まてまて。素直に話したら、前ちゃん、驚いて腰を抜かすぞ」
と止められる。
「む、そうか」
確かに、前岡は友達として夏を楽しむものだと思っているだろう。それが恋人になって色んな意味で夏を満喫してますなんて知ったら、教師として止められてしまうかもしれない。
「そうだな」
「でも、前ちゃんには感謝だよな」
今度、遊びに行ったときにお土産を買ってこようと言う事で話がまとまり、高貴が甘えるように膝の上へと頭をのせた。